京極夏彦『旧怪談』読了

旧(ふるい)怪談―耳袋より (幽ブックス)

旧(ふるい)怪談―耳袋より (幽ブックス)

何故か買ってから一年も放置してた。『幽』に連載していた「旧耳袋」。『耳嚢』の現代語訳と云っても単なる翻案ではなく、かなりの脚色が加えられている話もある。そう云う見方で云うと、中央公論新社で出てるシリーズ(『嗤う伊右衛門』とかね)の系譜に連なるとも云えるかも。
しかし京極夏彦の巧さをこれでもかと見せ付けられたなあ。この淡々とした文章は実のところかなり技巧的だと思う。子供向けと云うことでルビやら注釈やらがあるのだけど、どれくらい子供に届いてるのかなー。気になるところではある。
どうでもいいことだけど、連載が単行本化するときのパターンとして、書き下ろしが加わっているものだとてっきり思っていたが、1篇もなかった。勘違いしてた。