笹原宏之『日本の漢字』読了。
- 作者: 笹原宏之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: 新書
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例えば、誰もその存在を知らないのになぜか第二水準に入っている「妛」と云う字を調べるくだり。
(略)『国土行政区画総覧』を虱潰しで調べていくことになったのだが、(略)横に並べると二メートル四〇センチを超える巨大な資料群である。それを一ページごとに隅々まで見ていく過程で、予想を超えた様々な発見があった。さすがに原典資料である。
この淡々っぷりがすごい。「さすがに」じゃねーよ! 滅茶苦茶大変な作業だと思うんだけど。他にも300万件くらいの小地名データを早朝の日課として通覧し、国字を抜き出す作業を2回(!)しただとか、本当に凄すぎる(ただこれについては「修行のように苦しいものであったが」とも書いているw)。まさに研究者(と云うかマニア)の鑑。
また、何回も言及される「意識されるところ(のみ)が問題とされる」と云う指摘は説得力がある。関連して「統一病」の辺りなんかも強く同感。
他にも読みどころ満載なので、漢字、日本語に興味のある人は必読ですよこれは。