ネットでの感想を見ていたら『
ハサミ男』に言及してるのがいくつかあって、せっかく『
ハサミ男』再読したしなあと云うことで読んでみました。これ似てるってレベルじゃないですね。
サイコキラーが自分の
模倣犯を探すと云うストーリーのみならず、挿入される刑事側の章や、視点人物のパートナー的存在の設定など細かい部分も酷似しています。カメラ好きの刑事が出てきたときは笑ってしまいました。これは明らかに意識してオマージュ的な作品に仕上げているんでしょうね。文章にこなれていないところがあったり、解決に関わる世界設定自体が多少気に食わなかったりで、イマイチかなーと思ってはいるんですが、でもこれは、そこまで出来はよくないけど、『
匣の中の失楽』に対する『匣の中』のような相当な問題作じゃないのかと思ってる部分もあったり。と云うより、誰もわからない比喩を使えば
ショパンに対するゴドフスキやソラブジの編曲のような感じじゃないかと思ったり。うむ、それならかなり好みだ。
解決に関して混乱してる部分もあるので再読してみようかと思います。
