田中慎弥『切れた鎖』読了

切れた鎖

切れた鎖

少なくとも見た目上はかなり方向性の違う3篇を収録。
「不意の償い」は雑誌で既読だったがそのときとかなり印象が違った。表題作「切れた鎖」とともに狂気、妄想が静かに描かれる。「蛹」は、母親の死骸を目にしたかぶと虫の幼虫目線と云う異色作。
この静謐さは癖になる。