古野まほろ『探偵小説のためのエチュード「水剋火」』読了

天帝シリーズではない新シリーズ。骨子はごくごく普通のミステリ。でも、まほろよ、どんだけ装飾すりゃ気が済むんだー! と云っても女子高生の一人称なので(?)文体は薄め。天帝シリーズのような怒涛のルビも無い。けれどもしかしたら天帝以上に小ネタが多い。天帝とのリンクもファンには嬉しい。そして250ページとまほろにしては驚異の薄さにもかかわらず、例の如く半分くらいまで殺人事件は起こらない。背景説明もほったらかし。でも何故か読めるんだよなー。方言読みにくいとか云う人は長塚節『土』でも読めばいいと思うよ。第一まほろに対して文章読みにくいと云うのは批判になってないので。
しかしやっぱり嬉しいのは天帝新作執筆中って広告ページに書いてあること。なんだかんだでそっちが楽しみ。