円城塔『Boy's Surface』読了

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

うひゃー、わからんわからんと云われていた『Self-Reference ENGINE』の方がまだ分かる。とは云っても分かる部分だけを拾うだけでも充分楽しめる。
超絶技巧で紡がれる物語は、何やら途轍もない技巧に拠っていることはわかるが、その全体は茫洋としていてつかみ所がなく、結局終わってみても素人としては何だか凄かったと云う感想が残るのみと云う。あ、これはクセナキスと似ていると云えばわかりやすい? そう云えばここのインタビュー記事(http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/071001.shtml)で、表題作「Boy's Surface」と「Your Heads Only」のもとになった数学的図形が掲載されているように、図形が創作のもとになっていると云う点でも類似しているぞ。この比喩は意外といけるかもしれないな。