二ノ宮知子『のだめカンタービレ20』
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/13
- メディア: コミック
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と云う訳で、のだめ最新刊。
ターニャのコンクールも終了。千秋を唸らせるほどのクライスレリアーナ聴きたいなー。その通過者発表のときに出てきた名前「キム・ドンミン」に笑った。実在する若手ピアニストのイム・ドンミンのもじりかと思って他の名前も考えてみたけど、思いつかなかった。
驚いたのはオクレール先生の課題曲。のだめの初リサイタルがやけに濃いプログラムだったのも、この所為だったのかと納得した。今回レッスンで弾いてたのは、コミックス最初のページの背景楽譜にも使われているショパンのソナタ第3番。ユンロンの云うとおり、ショパンはあまり自己陶酔しない演奏がいい。私の好きなのはカペル。asin:B000040JEA
それから、ベートーヴェンの31番。この曲に対するのだめの印象が、まさにぴったりですごい。
漫画でいうと良い感じで始まるけど/なかなかダイナミックに展開しなくて/え〜〜この巻これで終わり〜!? って物足りなくてイライラして――
でも最後の巻でいろいろな人が出てきてドーンと物語が終わっちゃうんデス/なんか感動的に納得させられて
この通りなんだよなー。特に31番は。でも、この感じが実は後期3つのうちで一番苦手だったりする。
そして、出てきましたねー、ついに。キーとなりそうな曲が。ラヴェルのピアノ協奏曲。最初のあのムチの音出すコマ見て、おおと唸ってしまった。何を隠そう(隠してない)、脳内ザベストオブコンチェルト、いや、すべてのクラシックの曲の中でも最も好きな曲と云っても差し支えないくらい好きなんである。ラヴェルには、清良もちょっと口にした「左手のためのピアノ協奏曲」と云う曲もある(その名の通りピアニストは右手を使わずに左手だけで演奏する)。そっちの方が内容的にはシリアスなこともあって、左手の方を評価するファンも多いんだけど、私は圧倒的にこの両手の方が好き。黒木くんも云うように、ジャズ要素も多少あったり、基本的に賑やかな曲だけど、その楽しい両端楽章に挟まれた第2楽章の美しさったらない。昔バトンが回ってきたときの記事 id:nadzuna:20050618:1119089687 でも書いたんだけど、最も好きなピアニスト、ミケランジェリを知るきっかけになった曲でもある。
実は京極夏彦のサイトを作った頃、この曲のサイトも作りたいものの候補に入っていたりした。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番に特化した「http://www.cc.rim.or.jp/~hironov/Rach3/Rachtop.html」と云うページのラヴェル版みたいな。結局やらなかったけど、CDもかなり集めた。
多くの名盤ガイドと同じになってしまうが、この曲には双璧とも云える2枚の録音がある。まずは当然の如くミケランジェリの1枚。
Ravel&Rachmainov Piano Concerto Benedetti-Michelangeli, Gracis
- アーティスト: Philharmonia Orchestra,Maurice Ravel,Sergey Rachmaninov,Ettore Gracis,Arturo Benedetti Michelangeli
- 出版社/メーカー: EMI Classics France
- 発売日: 2015/04/21
- メディア: CD
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そしてもう1枚はフランソワ。
- アーティスト: フランソワ(サンソン),ラヴェル,クリュイタンス(アンドレ),パリ音楽院管弦楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2004/12/08
- メディア: CD
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まあとにかく、この2枚は本当にまるっきりベクトルの向きが違って、クラシックの醍醐味である同曲異演の聴き比べの楽しみを理解するのにうってつけ。実はクラシック入門に丁度いいんじゃないかなんて思ったりする。あ、そう云えばちなみに第3楽章はゴジラのテーマの元ネタだったりもするのでそこにも注目。
結局CDの話になってしまったな。