ボリス・ベレゾフスキー ピアノ・リサイタル

3/9 3:00PM つくばノバホール

アンコール

ピアノ:ボリス・ベレゾフスキー

今年2発目のコンサートは、巨人ピアニストのベレゾフスキーだ。ベレゾフスキーはゴドフスキを紀尾井ホールに聴きに行って以来の2回目になる。その時の感想→id:nadzuna:20041207:berezovsky あの時は、ゴドフスキは勿論、後半の展覧会の絵もかなりの迫力だったけど、今回のプログラムを見たときはかなり渋めに来たなと思った。正直メトネルがなかったら行くのをかなり迷ったかも。
最初の熱情は意外にもかなり抑え目。音色もよくコントロールされ、落ち着いた演奏だったけど、3楽章で少しトチってた。
次のメトネルが今回の目当てだったが、メトネルのおとぎ話と聞いて個人的に真っ先に思い浮かぶのがこのCD。→asin:B000001HD7
ショミン(あるいはショーミン?)のこの録音はピアノマニア的にはシュトラウス/ゴドフスキの「芸術家の生涯」の名演として有名だと思う。このCDにメトネルのおとぎ話 Op.20の2曲が収録されているのだけど、これを中古で買った当時(現在Amazonでは高値になっているが私が買ったときは多分1000円前後だったと思う)はメトネルを知ったばかりであまり知識もなかったが、特にOp.20-1に関してはなんて美しい曲だろうと思った。当盤は他にもゴドフスキのルネッサンスや、スタンチンスキーやら素晴らしい演奏が詰まった名盤で、未だによく聴く愛聴盤の中の愛聴盤である。
さらに余談。当盤に収録されている Oleg EIGES と云う作曲家のソナタトッカータと云う曲もいい曲なんだけど、この作曲家について当時から気になっているのにこのCDのライナーノート以外の情報がほとんどない。英語版ロシア語版Wikipedia含めて色々調べたのに。
閑話休題、ベレゾフスキーの演奏についてだった。まあ、個人的に今日の目玉的な曲だったこともあるかもしれないけど、今日の演奏の中で多分一番よかったと思う。事前に知っていた曲で云うと、Op.20-1はポリリズム、クロスリズムが心に響く、曲の魅力を存分に引き出した美しい演奏だったし、Op.20-2「カンパネラ」は、Pesante, minaccioso(重々しく、切迫して)の指示通り力強く、タイトルどおりロシア正教会の鐘を思わせる圧倒的な演奏だった。やっぱりロシアものと云うことで思い入れも強いのかもしれない。
おとぎ話のまとまった録音としてはこれが唯一らしい。→asin:B000NIWICC後で買ってみよう。
休憩を挟んで、シューマンダヴィッド同盟。正直シューマンは苦手な作曲家の部類で、ソナタ、幻想曲、クライスレリアーナ、2つの謝肉祭以外は普段もあまり聴かない。このダヴィッド同盟舞曲集もイマイチ相性が合わない。ベレゾフスキーの演奏は、集中力のある丁寧な演奏だったと思うけど、いかんせんあまり魅力的に聴こえないのでパス。
アンコールはショパンのワルツとラフマニノフのプレリュードそれぞれ2曲。やはりラフマニノフで会場は盛り上がっていた。と云っても、客席は空きも目立っていたけど。勿体無いなあ。

Russian Piano School

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Complete Skazki

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