ピアニスト100 99/100 レイフ・オヴェ・アンスネス
2/10 4PM 彩の国さいたま芸術劇場
- シベリウス:キュリッキ-3つの叙情的小品 op.41
13の小品 op.76から第10曲「悲歌的に」、第2曲「練習曲」
5つの小品(樹木の組曲) op.75から第4曲「白樺の木」
10の小品 op.24から第10曲「舟歌」- グリーグ:ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード op.24
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アンコール
- バッハ/ブゾーニ:10のコラール前奏曲から第5曲「我汝を呼ぶ、主イエスキリストよ(BWV.639)」
- メンデルスゾーン:無言歌集第6巻 op.67から第2曲「失われた幻影」
- グリーグ:叙情小曲集第1集 op.12から
第6曲「ノルウェーの旋律」
第5曲「民謡」ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
前半がグリーグとベートーヴェン、後半に「展覧会の絵」と云うプログラムもあったんだけどこちらを選んだ*1。更に王子ホールはさいたまと同じプログラムだけど、値段が倍くらいだし……。という訳で2回目の彩の国さいたま芸術劇場。
(でも、ネットの感想を見ると、東京オペラシティでの「展覧会の絵」はアンスネスのアレンジが入ってたようで(ホロヴィッツ版?との情報もあり)、それは少し聴きたかったかも。)
アンスネスは特に技巧で売ってる人ではないと思っていたんだけど、驚くほどの上手さだった。ヴィルトゥオーゾ的ではなくて、インテンポでさらりと弾いてしまう巧さ。多分前半はミスタッチほとんどなかったんじゃないか(そんなによく知っている曲ではないので確信はないけど)。
その前半は北欧作曲家シリーズ。アンスネスの演奏は安定感ありまくりで、至福の時間を過ごせた。キュリッキいい曲だなあ。グリーグのバラードは曲としては少々冗長で、飽きさせずに弾くのは結構難しい曲だと思うんだけど、左ペダルを多用した温かい音色で、堂々たる演奏だった。
ただ、後半のベートーヴェン32番はその温かい音色が逆に作用したなと、自分的には感じた。あくまで自分の理想としては32番はもっと孤高の音楽と云うか、宗教的恍惚感とか出しちゃってほしいので、その点で少しだけ物足りなさを感じた(ポゴレリチのあの演奏がまだ影響してる可能性もある)。とは云え、あったかいベートーヴェンもありっちゃありだし、レヴェルが高い演奏だったのは間違いない。
非常にいい演奏会だったので、ついつい帰りに3月のゴルラッチと4月からのピアノ・エトワールシリーズの通し券を買ってしまった。