桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』読了。
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/12/28
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 148回
- この商品を含むブログ (506件) を見る
わたしたちは、その時代の人間としてしか生きられないのだろうか。
『ブルースカイ』程ではないにしろ、第三部で雰囲気ががらりと変わる。ただ『ブルースカイ』は、第三部いらないから第一・二部をもっと読みたい、と云う意見が多く見られたように*1、第一・二部の世界観やストーリーに大きな魅力があったけど、『赤朽葉家』の第一・二部は、資料まんま抜き出し的な部分が見られ、文章も『七竃』のときのような酔える文体ではなく、魅力が少し足りないかなと思った。まあ、これは瞳子の語りである訳で、どこか淡々とした文体や資料的な部分は当然意図的ではあるにしても。
ただ第三部に入って俄然面白くなった。別に謎解き要素が出てきたからではなくて。現代のことを現代の目線で書いてあるからかなあ。ここだけ見れば充分に佳作だけど、最高傑作は僕の中でいまだに『ブルースカイ』だな。
あ、それと内容には関係ないけど、この2段組、字体の所為か余白の具合が悪いのか不明ながらなんだかちょっと読みにくかった。
*1:僕個人としては第三部あってこその作品だろうと思うけど