本田透『電波男』読了。
- 作者: 本田透
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2005/03/12
- メディア: 単行本
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はてなキーワードを読んでもイマイチ分かりにくかった「恋愛資本主義」については、この本と『萌える男』で大体理解しました。まあ新書で出た『萌える男』に比べると、幾分ネタが入ってると云うか、一応ギャグに何とか昇華してるような感じでもありますが、一応マジレス。
「恋愛資本主義」と云う概念の発見自体は慧眼と云うか、これについては理解できるし納得できるし大いに共感もできる。でも、やっぱりこの一方的な視点にはうんざりしてしまう。「負け犬」も「恋愛資本主義」の犠牲者のはずなのに、痛烈にDISってるし*1、それも私怨っぽい。「フツメン」だって「恋愛資本主義」に毒されていると云う点では(搾取されているとされるとは云え)、批判されるべきでしょう。
結局非モテ論議を見るたびに思う「オタ自虐史感」とでも云うような感覚はどうしても消せませんでした。勿論これは、僕がここまで酷い目にあってない所為かもしれませんが。(と云うかこの人何だかんだで解脱できてないような……。二次元の妄想を三次元に持ち込んじゃってるし、後半のほうは結局ヤりたいだけじゃねーかと云う印象を与えるのは否めない。)
どうもこの強烈なオタ視点のせいで、所々納得できる点もあるのに、全体としてはイライラしました。でも、公平な視点からならこの議論は物凄く面白そうなのも確か。これに対する「負け犬」からの(脊髄反射的でない)論理的な反論を見たい(既にあるのかもしれませんが)。
*1:「DISる」って使いたかっただけ