ネルソン・フレイレ・ピアノリサイタル@つくば


6/26 3PM つくばノバホール
オールショパンプログラム

  • 幻想曲 Op.49
  • ピアノ・ソナタ第2番 Op.35

アンコール

ピアノ:ネルソン・フレイレ

つくばのノバホールに行ったのはアムラン以来だから3年ぶりくらいでしょうか。プログラムが変更され、エチュードOp.10全曲がなくなってしまって少し残念ですが、まあバラ3の追加でトントンかな、と思いながら着席。
ショパンの曲は勿論そのほとんどが好きなんですが、脳内ピアノ曲ランキング上位に入る曲がたくさんあるのに比べると、ファンタジー、葬送ソナタ、黒鍵、革命、英雄などはその中では実は大好き度が正直やや低い。なので過度の期待をせずにいたんですが、そんな狭量さを笑うがごとくの非常に素晴らしい演奏でした。
最初の幻想曲からして何と云うか巨匠なんですよね、弾き方が。気負いもないし、自分に酔ってるところもない。迷いなんて当然ないし、奇を衒うところもまったくない。自然体なのに説得力があるとでも云えばいいでしょうか。最後の「英雄」も、その認知度の高さに比するとそれ程好きでもない曲なんですが、ピアノからこんな音が出るんだなあと云う堂々たる演奏でした。
それからアンコールもよかった。ショパンプログラムだったのでアンコールもショパンなのかなと思いましたが、1曲目のグルックを聴いた瞬間、多彩なアンコールの予感に嬉しくなりました。編曲者は不明。音源はSgambati編しか持ってないのですが、他にも何種類かあるらしく、帰ってから聴いてみてもちょっと判然としませんでした。2曲目はヴィラ=ロボス。NAXOSのサイトで試聴したところこの曲をやったのは間違いないんですが、終わりのほうでグリッサンドがあったので違う曲もやったのかも。それともフレイレ自身のアレンジかな? 3曲目はバッハ/シロティ。こちらの「http://www.prox.jpn.org/~piano/bach/database/arr.cgi?BWV=535」と云うページによると正しくは、バッハ/サーント/シロティらしいです。両手ユニゾンがまさにオルガンの響きを髣髴とさせる心に響く演奏でした。アンコールの中でいちばん好きだったかもしれない。大サービスの4曲目はモンポウ。これもよかったです。アンコールは非常にいい選曲でした。
黒鍵と革命が多少雑になっていたのと、客席の咳がやや多かったのが残念ではありましたが、解釈云々を超えて満足できる演奏会でした。これで駐車料金入れても2,000円(最安席だったので)! 同じプロの紀尾井なんかは7,000円ですからねー、安い。