吉田修一『パーク・ライフ』読了。

パーク・ライフ (文春文庫)

パーク・ライフ (文春文庫)

なーんにも起こらない。事件が起こらないからつまらない小説だ、と思うのはミステリ読みの悪い癖だが、かといって文章も特に上手いとも思わないし、やっぱり正直云って面白くなかったんだけど、嫌いとも云い切れない。もう1つ収録の「flowers」には話らしい話もあるし、最後まで興味を持って読めるんだけど、それでもそれよりは表題作の方が方向性としては好き、なのかな。どうしてかなと考えたら、多分東京だから。日比谷公園が舞台ってだけで、嫌いとは云えなくなっちゃうんである。東京は怖いなあ。東京に出てきたばかりの(と云っても東京に住んでた訳じゃないが)高校1年生のときに読んでたら、もっと何かしら感じるところはあったかもしれない。