神津慶次朗『鬼に捧げる夜想曲』読了。

鬼に捧げる夜想曲
第十四回鮎川哲也賞受賞作。みんこさんの感想(id:minko:20041117#p7)を読んで興味を持ったので読んでみました。
トリックはいいと思います。ただ、推理がなんだか強引と云うか粗い。19章なんかただの云い訳に見える。それと文章がひどい。読みにくい文章ではないんだけど、確かに突っ込みどころ満載でした。と云うことは、間違いが多いということなのかな。それでも、本格を書こうと云う気概は感じるし、志は多分高いと思うので、文章が巧くなれば多少期待はできるかもしれない。
感想とは違うんだけど、読んでてふと思ったこと。

昼食を摂ることすら忘れて会話に熱中していたことに誰もが驚き、皆で苦笑した。

これは別に悪文と云う訳じゃないんだけど、どこか流水を彷彿とさせませんか。「会話に熱中」とか「苦笑した」とか。巧く云えないんだけど、そう感じました。