森下唯 ピアノリサイタル

アルカンをやるよ、と某所で知ったので応募。無料だったし。


11/21 2PM 世田谷美術館講堂

アンコール

  • アルカン:エスキスOp.63から第48曲

ピアノ:森下唯

美術館の講堂ってどんなところかなと思っていましたが、普段は講演でもやっていそうな、座席が扇形かつ階段状になっている部屋でした。聴衆は多分200人強。数ヶ月に一度やってるみたいなので、無料のおそらく地元密着型と云った感じのコンサートなのだと思います。客層は若干年齢層高め。アルカンなんて名前も知らないんだろうなーと云う感じの人が大半でした。残念だったのは、プログラムと解説の紙を演奏中もペラペラ音を立ててめくる人が無視できない程度多くいたこと。それを除けばアットホームでいい雰囲気でした。
演奏者は芸大大学院の学生だそうで、アルカンもよく弾く人だとのこと。演奏前にマイクで作曲者や曲目の紹介もちょろっとしたりしてたんですが、アルカンへの愛が感じられて好感を持ちました。
で、感想。まずはソナチネ。4楽章で少し暗譜が危ういところがありましたが、軽快でいい演奏だったと思います。エスキスもよかった。特に静かな曲、第4曲「鐘」や第8曲「偽りの素直さ」は、細やかな息遣いが感じられました。ハンマークラヴィーアは平凡かなーと思いました。弾くだけで大変な曲ですが、魅力を引き出すまでには到ってなかったように思います。アンコールのエスキス第48曲「夢の中で」は文字通り夢のような旋律が美しかったし、最後の夢を覚ます和音もよかったです。
総じてアルカンの解釈と云うかアーティキュレーションがかなり好みでした。アルカンを紹介するんだと云う意気込みも感じられましたし。アルカンと云うことで(しかも無料だし)ちょっと甘めですが、こんな感じです。
アルカンのエスキス全曲録音でお薦めは何と云ってもこれ。
Esquisses Op 63

Esquisses Op 63