『文藝』冬号読了。

文藝 2014年冬季号
第41回文藝賞の一つ、白岩玄野ブタ。をプロデュース」を読むために買いました*1。書きはじめが

辻ちゃん加護ちゃんが卒業らしい。

であると云うただそれだけの理由ですすみません。でも、冒頭からしばらくは正直つらかった。いや、冒頭の文以外に「加護」と云う名前は2回出てきてしかも「可愛らしい声」なんて書かれてるのに「辻」は全然言及されないってこととは関係なくて。なんか寒い。意図的だとしてもそのセンスが嫌いって云うか。ただ小谷君が出てきてからは結構楽しくなってくるけど。と云っても文章もそれほどよくないし展開は読めるし、そんなに好きじゃないです。突き抜けてほしいところで止まっちゃうし、固有名詞の使い方も徹底してない。つんくに♂が付いてなかったり、小野真弓とか安田美沙子とか井上和香とかはっきり書くのではなくて「最近テレビでよく見る女の子がニコッと笑った消費者金融のポケットティッシュ」なんて書き方するとか。それともその方が普通っぽいのかな。オタクでも引きこもりでもない普通の高校生を描いてるんだからそっちの方がいいのかもしれないと考えるとよくわからない。それから選評とかネットでの感想とか見ると、前半良くて後半失速なんて云われているけど、それがばっちり狙いな訳で評価するならそれを含めて評価しなきゃならんのでは、と思った。

*1:いや、他もちゃんと読みましたよ