さそうあきら『神童』読了。

これはすごい漫画ですよ。音が主人公であると作者も云っていますが、音楽を扱ったものでここまでの成功を収められると云うのは驚きでした。絵はうまいとは云えないし、もっとじっくり描いてほしいエピソードもたくさんありますが、そのときそのときの様々な音がページから立ち上がってくるのは圧巻。また、ピアノリスナーにとってはその選曲も必見。一例を挙げても、メシアンの「鳥のカタログ」だとか、モシュコフスキの「火花」、ワーグナー/リスト「イゾルデの愛の死」、バルトークのピアノ協3番、ラヴェルのピアノ協、プロコのロメジュリピアノ版とかマニアックと云う程ではないが、俄かじゃないなと云う感じ。ベートーヴェンソナタにしても7番、16番などを選んでくるのが心憎い。クラシックを扱ったものってどうしてもいわゆる通俗名曲に偏りがちなので、クラファンとしては、通り一遍ではないのは嬉しい。1話毎にじっくり語りたいくらいだけど、誰も聞いてくれないだろうな。クラ専のブログでも立ち上げようかしら。