ポール・アルテ『第四の扉』読了。

ネタバレ気味で書くので未読の方はご注意下さい。





あまり期待しないで読んだんだけどこれは好感触。勿論メタだなんて思って読んでなかった訳で、第3部でびっくりというかがっかりに近かったのも最後で納得。また、読んでる途中で疑問に思った点、何故時代設定が意味もなくこんなに古いのかとか、第1〜2部は結末を考えないで書かれたはずなのに伏線張りすぎじゃないかとか、も結末ですべてすっきりするこの快感。いいんじゃないでしょうか。まあ好きかって云われるとそうでもないんですが。
あと、本筋とは関係ないけど同種の密室トリックはとある国内作品で使われてますよね。調べてみたらその作品は88年出版。この『第四の扉』は原著が87年刊。同じ時期に同じようなトリックが全然違う国で考え出されたってのは面白いなあ(勿論当該作品の作者がフランス語でこの原著を読んだ可能性は否定できないけど)。あ、でも私が知らなかっただけでこれはもしかしたら有名なトリックでよく使われるのかもしれない。だとしたら無意味な考察ですな。
あ、それともうひとつ。小説のアイディアとして出てくる甲冑の中の首の謎。これはかの『ジョーカー』を思い出して笑った。