古処誠二『UNKNOWN』(amazon)読了。

ハサミ男で停まってたメフィスト賞読破計画を再起動。
誰も入れる筈の無い隊長室の電話に盗聴器が仕掛けられた。自衛隊内部での事件なので、警察に知らせる訳にもいかず、防衛部調査班の人間がやって来る。その補佐をする一介の自衛官の視点で物語は語られる。
全く馴染みのない自衛隊と云う組織の話なので、最初は世界観に入っていけるか多少不安だったが、派手さはないものの、すらすら読めた。もっとギラギラした暑いものを予想していたが、国防に対する責任感、周辺住民との軋轢、目標の無い任務に就く事についての倦怠感、こういったものがよく表れていた。
ただ、トリックや動機も派手さは全く無い。その辺に不満はあるものの、物語としては楽しめた。
私は単純なので自衛隊について何か読みたくなった。